GOCOOメンバーとの出逢い ノリコカワイ編


「そらから かめが ふってきたんだよ」
唐突にうえきばちが言いました。

どうやらうえきばちには、突然むかしばなしをする習性、があるらしく、
いつもどっきりさせられます。

「ぼくがまだ こどもだったころの はなしさ」
そのでっかい目を細めながら、懐かしそうに語り始めました。
「そのひは まんしょんの そうじのひ だったんだよ。
ぼくは おとなたちにま じって  にわそうじをしてたんだ。」
うえきばちの庭そうじ、ってのは、いかなるものなのかと思いましたが、
その疑問は、ぐっと飲み込んで、
私はうえきばちの話を聞くことにしました。

「そしたら・・・あたまのうえのほうから、
ぴゅるるるるるるるるるぅ〜という、ちいさなおと、が
きこえてきたんだ。」
思わず空を見上げたうえきばちは、
ちいさなまあるいものが、
くるくるくると回りながら落ちてくるのを、もくげきしました。
なんだろう???と思わず見つめていると、
な、なんと、
ぴゅるるるるうううぅぅぅ・・・・・ぴとっ!
なぞのぶったいは、うえきばちのおで こに、 見事、着地。
「そらから ちいさな かめが ふってきたんだ」

そう、神様はこの世のものたちに、ごほうびとして、
実に多種多様な「当たり」を用 意してくださっています。
そしてもちろん「空から亀が降ってくる」というのは、
中 でも稀 にみる「大当たり」の部類、
そらみみアワーのジャンパーくらい
稀にしかもらえな い、ごほ うびです。
うえきばちは、1週間ほどおでこに残った亀の形のあざについて、
なにやらぶつぶつ と言っていましたが、
そんな贅沢を言ってはいけません。

「HAPPY!」
おでこの亀は、
うえきばちのでっかい目玉をのぞきこみながら、言いました。
「HAPPY・・・HAPPY・・・HAPPY・・・HAPPY・・・
ほわんほわ んほわんほわん・・・」
亀のことばが、うえきばちのこころのなかに響いていくにつれ、
なんともいえない シアワセなキモチがわいてきました。
そう、神様からのごほうびは、
日々の些細なことひとつひとつを楽しくしてくれるち から を宿した亀、
だったのです。

うえきばちは、それからいつも、
おでこにちいさな亀をのっけて暮らしました。
行きかう人々誰もがうらやましがります。
「ほう、すごいね。」「すてきな亀だ。」
誉められるとウレシイ亀は、おでこの上でぴちぴち飛びはねて喜びます。
武道家のけいれきをもつ亀は、亀のくせにバネが強く、
鋭い飛びとともに型を決めて みせたりして、
そのパフォーマンスはやがて人々の知るところとなりました。
「そのころ すとりーとで 
えたいのしれない つつ をぶーぶーとふきならすひと  にであったよ。
ごろばば とかいうなまえだった。」
となりあわせてストリートパフォーマンスをするうち、
なかよくなった3にんは、
ご ろばばのぶーぶーと、うえきばちの太鼓に合わせて、
亀が演舞をしたり、8の字ダン スを踊ったりして、
すっかりにんきものになりました。

でも、別れは突然にやってきました。
ごほうびの ゆうこうきげん、が切れてしまったのです。
神様は、れいによって、
互いの脳みその中にうすぼんやりとした記憶、だけを残し、
亀を引き上げてしまったのです。
が〜ん。

そしてどれくらいの年月が経ったのでしょう。
私はこのうえきばちの昔話をきいて、
さっきからむねにひっかかるものがあり、
動悸息切れ宇頭救命丸状態です。
もしや・・・あぁ、いや、ずばり言いましょう。
そのちいさな亀は、
わたしがもっている、ちいさな急須、なんじゃないか。

その急須は、やはり神様からのごほうびでした。
これまたもちろん「大当たり」です。
なぜならそれでいれたお茶は、やさしい味がして、 飲むと元気がでて、
日々の些細な ことひとつひとつが楽しくなるのです。
このお茶のちからで、私達は旅をつづけてこれたようなもの。
(ただし、なぜかこのお茶を飲むと、
とんでもない言い間違えや聞き間違えをおこしやすくなる、
という、 ふくさよう、がどうもあるらしく、
この辺が神様のお考えの、 わからないところです)

私は急いで、うえきばちに急須を見せてみました。
うえきばちは急須をおでこにのっけてみたり、
くるくるくるとまわしてみたりして、 ためつすがめつしていましたが、
やがて「うん、そうかもしれない」とつぶやきまし た。
私とうえきばちは、急須をだいて、
いそいで神様のところへでかけていきました。

「神様、どうかこの急須をにんげんにしてやってはいただけまいか」
「来るのが遅いっつーの」
神様はちいさな声で独り言をおっしゃったかと思うと、
「いいよ」と、言うが早いか、
急須を人間の姿に変えてくださいました。
急須は、亀と急須のおもかげをしっかりと残しつつ、
キュートで威勢がよく、心根のやさしい、
元気むすめのたいこ打ち、に生まれ変わ り、
神様は「ノリコカワイ」という名前もつけてくださいました。
「ああ、そして神様、どうか、
ごほうびのゆうこうきげん をなくすほうほうを、お しえていただけまいか」
「いいよ」
神様はいつもこのちょうし、です。
「いっしょに しんじつのたびに でるのじゃ。
なかまたちとともに たびをつづけ ていれば
ゆうこうきげんは ないのじゃよ。」
そうなんだ・・・。ありがとう、かみさま。
こうしてまた、私達の旅はつづいていったのです・・・。

(こうなったら)つづく。(がんばる)

 

 

***
うえきばち=ヒデサトウのむかしばなし、
「そらから亀がふってきた」のはホント−の話。
子供の頃マンションのそうじの日に、どっかの家のベランダから
落下してきたらしい。

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日本国内をはじめ、世界中で活動している創作和太鼓グループ「GOCOO」のリーダー。
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